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一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。

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今日のニュース(2020年7月12日)

1.今日のポイント

●【バルカン】ムスリム虐殺から25年
●【イスラエル世界最大の医療用大麻輸入国、イスラエル
●【バチカンバチカンの財政危機
●【日本】日銀の切り札、デジタル円

2. ニュース(1):バルカン半島

www.lemonde.fr

(1) 知っておきたいこと

 コソボ紛争の結果、この事件の舞台となったスルプスカはセルビア人の領土としてスルプスカ共和国となった*1。25年が経ったものの、未だに対立の火種が転がっている。

図表1 西バルカン諸国
f:id:suguru_125:20200712144045j:plain
(出典:日本貿易保険(NEXI)*2

 欧州の弾薬庫たるバルカン半島は21世紀になってもその役割を変えていない。今でもその状況は西欧諸国の懸念となっている。実際、あまり公的に発信を行うことの少ないフランスの対外インテリジェンス機関である対外治安局(DGSE)が2017年に西バルカン諸国の状況に関する報告書を公開している*3
 こうした中で欧州連合EU)はコソボセルビアの加盟を推進している。そもそもEUは、経済格差の大きい加盟国の通貨をユーロで統一することで、元来の経済的強国が経済圏を拡大させていく仕組みであった。しかし、加盟国基準を満たしていなかったギリシャの加盟をコール独首相が独断したように、自壊していく仕組みも同時に組み込まれたものだった。コソボまたはセルビアが加盟することとなれば、EUはまた爆弾を抱えることとなる。

(2) まとめ

3. ニュース(2):医療用大麻

www.jpost.com

(1) 知っておきたいこと

  • イスラエルがドイツを抜き世界最大の医療用大麻輸入国となった
  • 6月初頭までにドイツは4トンの医療用大麻の花を輸入している一方で、6月末までにイスラエルは6トン輸入した

 2018年ベースではあるが、イスラエルとドイツの人口はそれぞれ888.4万、8,279万人と8倍以上の開きがあるため、医療用大麻の輸入量の多さは推して図るべし、である*4

図表2 グローバル規模での合法大麻の売上高推移
f:id:suguru_125:20200712145810j:plain
(出典:New Frontier Data*5

 そもそもイスラエルは医療用大麻先進国として知られている*6

 今日(引用者註:2018年4月時点)、イスラエルの 50 以上のあらゆる大学や学術機関の研究所において医療用大麻の研究が行われている。包括的な科学的知見と科学的・産業的発展の機会の探究は、他の薬物の扱いと必ずしも同じでなく、イスラエル大麻改革の道に導いている。同国は1992 年に大麻の医療目的の使用を認め、やがて大麻品種や工業製品の科学研究・開発の中心となった。法令の行使権は特別に設立された保健省医療用大麻局(IMCA)にあり、イスラエル警察、農業省、経済産業省と連携し、科学研究の第一人者であるメシュラム教授率いる運営委員会を創設した。IMCA は栽培・抽出・梱包・流通に関わる様々なライセンスを発行する。IMCA はまた、激痛やその他の症状に悩む患者に対し特別に医療用大麻を処方することのできる臨床医の認定も担当。その他にも、臨場試験の一貫で、病院で大麻を使用することのできる病気もまた認められている。2017年までの時点で、4 万人程の患者がすでに医療用大麻を処方されている。

 古代中東のユダ族がかつて宗教儀式で大麻を利用してきたことが学術的に判明しており、そもそも大麻の生育に中東は適当なのだろう*7。他方で今や大麻の主要な生産地はアフリカに移動しつつあるようだ*8大麻マーケットにおいてもアフリカはエマージング・マーケットになるようだ。

(2) まとめ

  • 医療用大麻マーケットは拡大一辺倒である
  • イスラエルはそこで主導的な地位を担っている

4. ニュース(3):バチカンと金融

www.catholicnewsagency.com

(1) 知っておきたいこと

  • バチカンは収益不足に金融スキャンダル、そして迫りつつある国際金融部門の検査による危機に晒されている
  • 月曜日(6日)にリークされたメモによると、バチカンの各組織が有する資産を宗教事業協会(IOR)に集めるよう伝達したという

 歴史的に宗教は「交通(Verkehr)」と金融と結びついてきた。平安時代という、今よりもはるかに諸国への行き来に難のある時代であっても、空海は諸国を行脚してきたわけだ。それは国家権力はさておき、宗教事業体自体がネットワークを有し、衣食住に旅賃(金融)などの面でサポートしてきたからであった。バチカンもその例に漏れない。

www.kashiwashobo.co.jp

 第二次世界大戦の後、1960年代には避妊具製造メーカーなど宗教上の禁忌にも触れるような企業にまでバチカンからの投資が流れるほど、金融マーケットにおいて大きなプレゼンスを有していたのだという*9。それが、「バチリークス(Vatileaks)」に始まる様々なスキャンダルに塗れることで根本的な改革を余儀なくされてきたのだった。
 前述したEUの自壊システムもそうだが、金融資本主義に支えられたこれまでのインフレ経済がシステム転換するために、宗教事業体も変革しつつある。

(2) まとめ

  • バチカンが財政面で危機的状況にある
  • グローバル規模でシステム転換が進んでおり、宗教もその例外ではない

5. ニュース(4):デジタル円

asiatimes.com

(1) 知っておきたいこと

  • 日銀の量的緩和が日本経済の成長に寄与していない
  • そうした中でデジタル円が日本経済の変革に寄与し得る

 人と話していて意外に思うのだが、日本の金融は意外と見くびられているようだ。つい最近金融庁長官に指名された氷見野良三・金融国際審議官は、銀行の国際的な規制を扱うバーゼル規制委員会において主導的な役割を担ってきた一人であり、米欧、それ以外の地域でも大いに知られている*10。日本円のグローバルな流通量シェアを考えれば、明らかなだと思うのだが*11

図表3 グローバル規模での外国通貨取引量シェア
f:id:suguru_125:20200712155802j:plain
(出典:Bank for International Settlement*12

 さて、日銀は欧州中央銀行(ECB)と共同でデジタル通貨の研究を行なってきた。去る2日にはCBDC(中央銀行によるデジタル通貨)の実証実験を行うことを日銀は報告書として公表している*13。このようにデジタル円の導入に向けて日銀が動いているのは間違いないのである。
 では、いつそれをやるのか?一つ考えておきたいのは、2024年を目途に財務省が新紙幣を発行するとしていることだ。単にビジネス上の利便性といった理由であれば、リアル通貨からデジタル通貨へと転換する意義は薄い。

www.mof.go.jp

 逆に言えば、何らかの別の意思があると考えるならばどうだろうか。たとえば、新通貨への切り替えを通じて通貨切り下げを行うということ、である。通貨がデジタル化されることの利点の一つは流通の管理が容易になる点であり、そのための備えとしてデジタル円を準備している可能性もある。
 現在が実証実験中であるということであれば、デジタル円の導入は少なくとも2021年以降になると考えるのが妥当だ。

(2) まとめ

  • デジタル円は既存の円通貨からの切り替えに用いるのだが、通貨の切り上げ(切り下げ)に用いる可能性を憂慮すべきである
  • 早くてもその切り替えは2021年であろう

今日のニュース(2020年7月11日)

1. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,290.81
▲238.48
▲1.06%
10日終値
TOPIX
1,535.2
▲22.04
▲1.43%
10日終値
JASDAQ
161.4
▲1.41
▲0.87%
10日終値
東証マザーズ
1,003.6
4.9
0.489%
10日終値
日本国債10年物
0.012
▲0.003
▲20.00%
10日終値
米国
ダウ平均
26,075.3
369.21
1.43%
10日終値
S&P500
3,185.04
32.99
1.04%
10日終値
NASDAQ
10,617.44
69.69
0.66%
10日終値
SOX指数
2,069.79
▲6.93
▲0.334%
10日終値
米国債10年物
0.643
0.010
1.58%
10日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,095.41
45.81
0.754%
10日終値
DAX
12,633.71
144.25
1.15%
10日終値
上海総合指数
3,383.32
▲67.27
▲1.97%
10日終値
印SENSEX30
36,594.33
▲143.36
▲0.391%
10日終値
外国為替
USDJPY
106.92
▲0.28
▲0.26%
10日終値
EURJPY
120.83
▲0.12
▲0.10%
10日終値
EURUSD
1.1300
0.0019
0.17%
10日終値
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
40.56
0.94
2.37%
10日終値
原油先物(Brent)
43.27
0.92
2.17%
10日終値
金先物(COMEX)
1,801.55
▲2.25
▲0.12%
10日終値
先物(COMEX)
2.9137
0.0752
2.65%
10日終値
BTCJPY(bitFlyer)
992,753
1,353
0.14%
11日 08:22:51

2.今日のポイント

●【中国】ロシアとフランスの蜜月に言及
●【気候変動】北極圏での異変
●【銅】銅は景気の先行指標たりえないのか?
●【日本】リニア敷設がなぜいけないのか?

3. ニュース(1):中露は親密ではない

www.globaltimes.cn

(1) 知っておきたいこと

  • 中国人民日報の海外版である環球日報が仏露の接近を議論している
  • 昨日、マクロン仏大統領がプーチン露大統領とビデオ会談を行なっている

 中国とロシアは隣国であり、中ソ対立を持ち出すまでもなく、決して蜜月を演じることはない。そこでいずれも自らの同盟国を模索することとなるのだが、ここにきてフランスがロシア側に付いたことを中国が警戒しているという訳だ。対外治安総局(DGSE)の旧局員が中国への利敵行為を受けて処罰されている*1。中国包囲網が更に強まっていると考えた方がよさそうだ。

(2) まとめ

  • フランスで中国への便宜を図ったインテリジェンス機関局員が処罰されている
  • フランスも徐々に反中姿勢を強めている

4. ニュース(2):気候変動と魚食

www.sciencealert.com

(1) 知っておきたいこと

  • 気候変動を受けて北極圏の環境変化が報告された
  • 直近20年で植物プランクトンが57%も増大してきたことが判明した

 魚が取れなくなっていると言われている。さんまなどいわゆる大衆魚と呼ばれてきた魚類の価格が上昇している。

図表 さんまの平均漁港取引価格の推移
f:id:suguru_125:20200711075811j:plain(出典:毎日新聞*2

 そういった魚は回遊魚である場合が多く、そうなると海温の変化や海流の変化がそれらの漁獲高に大きく影響を与える。また海は繋がっているため、ある地域の変化は他の地域にも影響を与えるという訳だ。北極圏が温まるのであれば、日本の近海にいる魚も北極圏へ移るのだろうか。

(2) まとめ

  • 北極圏の航路としてのプレゼンスが上がっているが、漁場としてもあらためて注目が増大している
  • 日本食がロシアに依存する可能性も大いにあるか

5. ニュース(3):銅は景気の先行指標

www.mining.com

(1) 知っておきたいこと

  • 銅価格が高騰している
  • それは主に南米からの供給が停滞する可能性を受けてのものである

 銅価格は景気の先行指標であると言われている。それは電線など設備の原材料として頻用されるからである。また銅価格を金価格で割った指標は米国金利の先行指標としても有用であるとも言われているのだ。したがって安直に考えれば、現在の銅価格の高騰はグローバル経済の回復と思えなくもない。
 しかし、今はそうではない。銅(鉱石)生産においてはペルーとチリが大きなシェアを有している。

図表 世界の銅鉱石生産の推移
f:id:suguru_125:20200711073218j:plain(出典:石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC))

現在の政情不安は杞憂として見るべきではないというのが私見である。そのため、この銅の高騰トレンドは無視すべきではない。

(2) まとめ

  • 銅価格の現在の高騰が南米の政情不安というのは正しいと考える
  • このトレンドは継続する

6. ニュース(4):リニアは敷設できるのか?

www3.nhk.or.jp

(1) 知っておきたいこと

 この問題の最大の争点を整理しておくとこうだ*3

最大の争点は3000メートル級の山脈を貫く南アルプストンネルの静岡工区の工事だ。県は掘削工事の過程で大量の湧き水があふれ出て、県民の生活用水や農業などに使われる大井川の流量が低下すると主張している

 もうこの問題は5年以上続いているが、これをここまで強行して反対しなければならない理由があるという。それは、リニア技術に伴う磁気の変化がパンデミックを悪化させる可能性があるのだ*4。もはや記憶の彼方に忘れ去られたかもしれないが、ジカウイルスが中南米を中心に蔓延したことがあった。その「不自然」ともいえる流行についてこんなことが専門家の間で議論されているのである*5

[T]he localized lowering of the earth’s magnetic field intensity and a sudden increase of cosmic rays recorded in Mexico in 2015 were causally associated with the resurgence of the Zika virus outbreak in the Americas. Potential mechanisms by which a weakened magnetic field and enhanced cosmic ray activity may influence this outbreak in humans are discussed here. Current and future surveillance efforts should be supported to construct a comprehensive early warning system involving monitoring of the earth’s magnetic field, solar activity and cosmic ray intensity for predicting or detecting future Zika virus outbreaks as early as possible.

これが正しいならば、リニアへの反対は、大いに意義があると言える。

(2) まとめ

  • リニア敷設問題はこの語も硬直状態が続く
  • リニア技術の磁気が感染症の蔓延に関係する可能性があることを指摘しておきたい

今日のニュース(2020年7月10日)

1. マーケット指標

※今日は省略

2.今日のポイント

●【プライバシー】英豪政府が顔認証技術企業を合同調査する予定
●【昆虫食】コロンビアで珍重される蟻(アリ)
●【シリア】化学兵器関係施設を化学兵器禁止機関に申告する勧告を受ける
●【日本】外貨保険を巡り相談が相次ぐ

3. ニュース(1):英豪政府が顔認証技術企業を合同調査へ

thehill.com

(1) 知っておくべきこと

  • 英豪政府が各国の情報保護法(英:Data Protection Act/ 豪:the Australian Privacy Act)に基づき合同でClearview AIを調査する
  • 同社がインターネット上で数十億の写真データをスクレイピングしていることを受けたもの

 わが国でもJRの自動販売機で顔認証を行ってマーケティングに活かすという事例があるが、中国ではこうした認証が社会に実装されている*1。今回の事例がそれに関係するとは言えないが、欧州連合EU)のデータ管理をはじめデータの利用は厳しくなっている。わが国でもこれに追随してデータ管理法制が厳格化していくだろうか。

(2) まとめ

  • グローバルでデータ利用は厳格化一辺倒
  • 日本はデータの商用利用について相対的に緩い

4. ニュース(2):アリは“健康食”たりえるのか?

www.bbc.com

(1) 知っておくべきこと

  • コロンビアでは蟻(あり)がキャビア並みの価格で取引される
  • 女王アリの四肢や羽をもいだ腹が希少である

 芋虫や甲虫を常食する文化は東南アジアやアフリカに数多くみられる。それだけではなく、国連(UN)などが昆虫食の導入を本格視している。たとえばFAOは食用虫(edible insects)についてこのような試みを行ってきている:

Since 2003, FAO has been working on topics pertaining to edible insects in many countries worldwide. FAO’s contributions cover the following thematic areas:

  • the generation and sharing of knowledge through publications, expert meetings and a web portal on edible insects;
  • awareness-raising on the role of insects through media collaboration (e.g. newspapers, magazines and TV);
  • the provision of support to member countries through field projects (e.g. the Laos Technical Cooperation Project);
  • networking and multidisciplinary interactions (e.g. stakeholders working with nutrition, feed and legislation-related issues) with various sectors within and outside FAO

 ではどれだけ栄養価が高いのか。昆虫食の有用性を見てみよう。たとえば蟻の栄養素はこうなっているという*2

アミノ酸(g/100g) 微量元素 (mg/kg)
アスパラギン酸   3.194 銅     17.6
セリン       1.899 鉄    386.4
グリシン       3.862 マンガン 360.2
シスチン      0.247 蛋白質  53.02
メチオニン     0.098 亜鉛   138.4
ロイシン       3.486 カルシウム 0.76
フェニールアラニン 1.662
ヒスジニン     0.984
プロリン      3.322
スレオニン     1.804
グルタミン     5.053
ラニン       4.212
バリン       2.530
イソロイシン    2.660
チロシン      1.384
リジン       2.176
アルギニン     2.127
トリプトファン   0.671

 栄養分のみを並べられるとなかなかわかりづらいが、アミノ酸が多様でたんぱく源として有用であると判断できるのだ。
 また漢方薬としてこのような効能があると言われている*3

  • リウマチ:リウマチは、外部から進入した異物を攻撃する免疫システムが狂い、異物でなく自分の身体を攻撃してしまうために起こります。アリは、この免疫力の調整を行い、リウマチを治す作用があります。
  • 鎮痛作用:リウマチの治療に用いられるホルモン剤ステロイド剤」に匹敵する効果があると言われています。リウマチだけでなく、慢性の関節の痛みや腰痛にも効果があります。
  • 慢性肝炎:肝炎は免疫の調整が異常となって発病します。アリには免疫を調整する作用があり、肝炎にも効果があります。
  • 老化防止:アリはフェロモン(動物が異性をひきつけたり、危険を知らせたりする物質)を複雑な社会での通信手段に使用しています。このフェロモンが、老化防止に効果があるといわれています

 単に栄養源というだけでなく薬としても意味があると言えるのである。

(図表 昆虫食関係ベンチャーのカオスマップ2019年版)
f:id:suguru_125:20200710155218j:plain(出典:BUGS GROOVE*4

(2) まとめ

5. ニュース(3):シリアと化学兵器北朝鮮

mainichi.jp

(1) 知っておくべきこと

  • シリアが未申告の猛毒サリンなどの化学兵器保有し2017年3月に使用したとの報告書を受けて化学兵器禁止機関(OPCW)は同国へ保有する同兵器や関連物資、製造・備蓄施設などを90日以内にOPCWに申告するよう求めた
  • その攻撃に直接的に関連があるとされた中部ハマなど2か所の空軍基地を年2回査察することも決めた

 ブッシュ(子)米政権時代のイラク戦争を例に出すまでもなく、ABC兵器(核・生物・化学兵器)は世界を動かすに値するものであることを想起されたい。こうした中でシリアの化学兵器製造には北朝鮮が関与していると疑われている*5。米国が化学兵器を絡めて北朝鮮を非難するようになった場合には、過去の論考とは異なり事情が変わる可能性があることをここでは指摘しておきたい。

(2) まとめ

  • 大量破壊兵器、とくに化学兵器はグローバルで深刻な問題となり得る
  • 北朝鮮問題とこの問題が絡み始めたら事態が変わったと受け止めるべきである

6. ニュース(4):外貨建て保険

www.asahi.com

(1) 知っておくべきこと

  • 外貨建て保険の契約を巡る相談がNPOに相次ぎ、2013年から2018年で5倍にまで増大している
  • 多くが高齢者で、為替変動リスクや手数料をよく分かっておらず、またリスク減が不明瞭であることが多いという

 投資信託の中にもデリバティブを複雑に組み込むことで何がリスクなのかが不明瞭である中でそうした商品組成に係る手間の分だけ手数料が多いものがあると聞いたことがある。実際、親から相続した金融商品で、米国などのREITに投資しつつ為替差損益をコントロールすべく通貨オプション(しかもエキゾチック)を組み込んだものがあって、いつ処分すべきか悩んでいるというものがあった。
 他方で金融機関にいた身としては、どうやったって購入者が不当だと言ってしまえばすべて金融機関が悪くなってしまうという弱い立場にあることも事実であると感じている(諸悪の根源は売上の計画を立ててノルマを支店に与える内部管理部署だったりするという話も割とよく聞くが)。
 契約してしまった以上、精神的負担を減らすために可能な限り即座に解約した方が良い。売り手と買い手の双方の利益のためにも、そもそも複雑なもの、自分でよく分からないものは買うべきではない。

(2) まとめ

  • 自分がよく分からないリスクの金融商品は買わないこと
  • そうした消費者のきっぱりとした態度が業界自体の自助努力と絡まることで変わっていく

今日のニュース(2020年7月9日)

1. マーケット指標

※今日は省略

2.今日のポイント

●【中欧反政府活動は非公然活動?
●【天然ガス「ガス版OPEC」構想は可能か?
●【米サウジアラビアサウジアラビアによるスパイ活動
●【日本】SBIグループによる地銀獲得は進む

3. ニュース(1):中欧での反政府活動は誰が主導しているのか?

www.lemonde.fr

(1) 知っておくべきこと

  • 中欧でかつてない規模での反政府デモが生じている
  • 新型コロナウィルスを封じるための自粛措置が反感を買っているという

 中欧、特にセルビアにおいて数千人規模のデモが生じており、同国の大統領は苦境の最中にある*1
 素朴に気になるのは、ロシアのプラウダ紙がこのような「陰謀論」とも考えられるような論考を公開している点だ:

www.pravda.ru

 確かにセルビアはロシア寄りの国家であり、他方でコソボ紛争において「敵」役を与えられた。しかしそのセルビアで反政府活動を誘導したとして、特段大きな意義があるとは考え難い。あえて気になる点を挙げるのであれば、これだろう:

www.aa.com.tr

 コソボセルビアの間で和平に向けた合意に向けて欧州連合EU)が動いてきた。こうした中で政府が転覆することとなれば、この和平も白紙に戻る可能性がある。ボスニア紛争コソボ紛争は、現在では一般的になっているドローンが湾岸戦争に続き本格的に実戦投入されたことで知られている。グローバル(特に欧州)経済をますます混乱させるために、戦争経済を演出するために、行っているということであれば少なくとも筋は通る(妥当とは思えないが)。

(2) まとめ

  • コソボセルビアでの和平交渉が白紙に至る可能性がある
  • 非公然(スパイ)活動を疑うのは少し疑問が残る

4. ニュース(2):天然ガス版「石油輸出国機構」構想は可能か?

iz.ru

(1) 知っておくべきこと

  • ロシアのアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー担当大臣が先週、天然ガス版「石油輸出国機構OPEC)」創設に向けた交渉開始を宣言した
  • ロシアから米国までのあらゆる供給者が急激なガス価格の下落に対抗することを目的とする

 OPEC創設の歴史を振り返るならばこうである*2

国際石油会社は、原油実勢価格の一般的低下傾向を反映させて、1959、1960年の両年、相次いで産油国に支払う所得税の算定基準となる公示価格を引き下げた。このことによって国際石油会社は、産油国への所得税支払いを削減することができたが、逆に産油国は、石油収入の減少に対する危機感を抱き、これに対する防衛的手段の必要性を強く認識するようになった。

1960年9月、イラク、イラン、クウェートサウジアラビアおよびベネズエラの5ヵ国は、イラクの首都バグダッドで石油輸出国会議を開催し、参加国の定期的協議を目的とした恒久的機関、石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting Countries:OPEC)の設立を決議した。

設立時における具体的な目的は、「石油各社が石油価格を安定させ、不必要ないかなる変動もないように維持すること」を加盟国が要求し、「自らの判断によるあらゆる方法により、現行価格を値下げ以前に一般的であった水準に回復し、確定すること」であった。

 これに追加するならば、1960年代までの間、原油マーケットは英仏といった旧宗主国、さらにはセブン・シスターズと呼ばれた石油メジャーに独占されてその価格を低めに固定されていたことを想起されたい。

 さてこの天然ガスOPEC構想を分析するにあたっては、以下の3つを考える必要があるだろう:

  • 誰をターゲットにしているのか?
  • 誰が裨益するのか?
  • 誰が参加し得るのか?
  • 創設が成功する蓋然性はあるのか?

 まずターゲットは誰なのか。OPEC創設のときは、石油メジャーによる寡占体制を打破して原油収入を産油国にもたらすことが根本的な目的であった。ではこのガス版OPECでは誰の交渉力を前提とした動きなのだろうか。ここで真っ先に浮かぶのは中国である*3

Because Russia will compete against other pipelines supplying gas to China, including from Turkmenistan and Myanmar, as well as against shipments of sea-borne liquefied natural gas (LNG), China is in a favorable bargaining position. Contract details have not been made public, but it is safe to assume that Russian gas to China will be sold at lower margins compared to European shipments(註:下線太字は引用者が追加)

(図表1 2019年12月より中国へのガス供給を開始したシベリア・パイプライン)
f:id:suguru_125:20200709120436j:plain(出典:Radio Free Europe*4

 ロシアにとっての最大の顧客の一人である中国は、ロシアに対する交渉力が強いことで専門家の間では有名である。また各国で資源獲得をすべく中国企業が進出している一方で、ガス価格の低迷する中で産ガス国が中国企業への反感を有するのは疑いようもない。このような事情から中国こそが一番の標的であると言える。
 なお欧州もロシアの重要顧客ではあるが、ノルド・ストリーム2の敷設前からロシアへの依存を自発的に深めているあたり、ロシアにとって、少なくとも中国よりは「好ましい」顧客でありこの標的とは言い難い。わが国も天然ガス価格の底上げになるために被害は受けるものの、ここでも重要なターゲットとは言えない。

 他方で誰が裨益し得るのか。逆に言えば誰が割を喰うことになるのか。特に考えなければならないのが、米国が裨益し得るという発言が正しいのかどうかである。

(図表2 2018年のグローバルにおける天然ガスの輸出入事情)
f:id:suguru_125:20200709122133j:plain(出典:BP Statistical Review of World Energy 2019*5

(図表3 地域別天然ガス生産量の推移)
f:id:suguru_125:20200709122244j:plain(出典:同上)

 このように既存ビジネスから見れば、確かに米国とロシア、更には他の産ガス国では棲み分けがある程度確立されており対立するとは言い難い。したがって米国が参加するかは別として、実際に裨益すると結論付けても良いだろう。

 では誰が参加し得るのだろうか。産ガス国は誰でも参加したいと考えるかもしれないが、ここには国際政治における各国の思惑もあり得るため、全員がそうとは言い難い。
 まず米国だが、ロシアがプレゼンスを高めようとするこの機構に参加することは考えづらい。参加することになったのならば、一大事であり、中国を対象にして更なる包囲網が構築されたと見なすべきだ。他方で有数の産ガス国であるノルウェーは参加しないと考える。脱化石燃料を既に謳っているからである。せいぜいオブザーバーどまりであろう。

(図表4 イスラエルによるガス・パイプライン)
f:id:suguru_125:20200709123501p:plain(出典:Deutsche Welle*6

 もう1つ考えておきたいのは、イスラエルが参加できるのか、である。ユダヤ人問題を巡りロシアとは微妙な関係にあるイスラエルは、意外にも地中海において有力なガス供給者である。とはいえ、世界的にも有数のガス生産国であるイランとともにここに参加できるのかがミソである。判断は難しいが参加しても不思議ではない。

 最後にガス版OPECの創設であるが、充分にあり得るというのが私見である。少なくともロシアにとってこの創設は、国家の存亡の面で至上命題であるのは言うまでもない。中東でのプレゼンスをロシアが高めている以上、この議論に注目しておいて間違いはないだろう。

(2) まとめ

  • ガス版OPECは中国をターゲットにしている
  • ガス版OPEC構想は十分に実現し得る

5. ニュース(3):サウジアラビアによる米国でのスパイ活動

https://www.nzz.ch/international/saudiarabien-spitzel-sind-im-silicon-valley-auf-der-jagd-ld.1553176www.nzz.ch

(1) 知っておくべきこと

  • Twitterの元従業員がサウジアラビアのためにスパイ活動をし反体制派の情報を提供したとして1人は公判中である
  • 今回の事態はサウジアラビアの非公然活動に対して米国の司法当局が非難する初めての事例である

アメリカの「最大の脅威」は中国 米FBI長官が説明 - BBCニュース」とFBIによる中国への非難が注目を集めているが、中東における米国の最大の同盟国と言えるサウジアラビアを攻撃する事態が生じていることは記憶に留めておくべきだろう。

(図表5 「新しい中東(The New Middle East)」構想)
f:id:suguru_125:20200709124726j:plain(出典:Global Research*7

 2000年代にNATO高官の間で流布されたというこの「新しい中東(The New Middle East)」構想において、サウジアラビアは大幅な解体を受けることになっている国である(なおイスラエルが1967年以前の国境に後退している点は注目に値する。昨日取り上げた記事を参照されたい(
))。


zeitgeist.hatenablog.com

 仮に米国とサウジアラビアが関係を緊張化させるとなると、中東でのパワーバランスが偏る。特にイランが力を付けることになる点に注目したい。

(2) まとめ

  • 米国とサウジアラビアは徐々にその関係を弱めていっていると考える
  • その結果、イランが裨益することとなる

6. ニュース(4):地銀の未来

www.asahi.com

(1) 知っておくべきこと

  • SBIによる地銀との連携を10行まで広げるつもりであると北尾吉孝SBIホールディングス社長が発言した
  • 今年9月までに決着を付けるつもりであるという

 SBIが提携(出資)している地銀をまとめるとこうなる*8

銀行(地域) 出資割合 備考
島根銀行島根県 34%
福島銀行福島県 19.25%
筑邦銀行(福岡県) 3%
清水銀行静岡県 3%
大東銀行福島県 17・14% 今回の構想とは関係ない

1つ解せないのは、ネット証券などで成功するSBIが実店舗(地銀)をもつメリットがどこにあるかという点だ。慎重に検討したい。

(2) まとめ

  • SBIはますます地銀を傘下に置いていく
  • そこで何を模索しているかがポイント

今日のニュース(2020年7月8日)

1. マーケット指標

※今日は省略

2.今日のポイント

●【イスラエル欧州及び中東の計4か国がイスラエルの入植活動を批判する声明を発出
●【ロシア】温暖化で極東地域において新たな感染症リスクが増大
●【アゼルバイジャンナゴルノ・カラバフ問題を巡り引き続き対立が深化
●【日本】電通経産省の関係の新たな一面が露呈した

3. ニュース(1):パレスチナ問題

www.haaretz.com

(1) 知っておくべきこと

 2011年にオバマ前大統領が1967年ラインについて言及した際にもイスラエル側からの大いなる反発を呼んだ*1。これに欧州は中立からわずかにイスラエル寄りな姿勢を保ってきたのだが、一昨年あたりからパレスチナ寄りに変化しつつあるのだ。


f:id:suguru_125:20200708162617j:plain(出典:日本経済新聞*2

 ユダヤ人の存亡に関わる問題であるため、イスラエル側はこれに対して強烈に反発するのは明らかである。しかし外国からの圧力は変わりえない。諸企業がイスラエルに研究開発センターを設ける事例が増えているが、今はむしろそこから離脱してくるR&Dセンターを受け入れる準備を行う方が今は賢明かもしれない。

(2) まとめ

4. ニュース(2):シベリアと感染症

jp.sputniknews.com

(1) 知っておくべきこと

  • 温暖化が原因で永久凍土で眠っていた過去の細菌が大気中に放出される危険性が増大している
  • ロシア連邦サハ共和国において特にそのリスクが顕在化しており、炭疽菌が放出される可能性すらある

 サハ共和国ロシア連邦の中でも特に天然資源に恵まれた共和国で、とくにダイヤモンドについてはロシア国内の生産量のうち99%近くを占めている。


(図表 サハ共和国の位置)f:id:suguru_125:20200708161728p:plain(出典:MIRU News & Report)

 日本の総合商社もロシアとのビジネスにおいてサハ共和国に注目している。コロナとは異なる新たな感染症リスクが生じるということとなれば、資源ビジネスに新たな影響をもたらすかもしれない。

(2) まとめ

  • サハ共和国炭疽菌などの新たな感染症リスクが今後増大していく可能性がある
  • ロシアの鉱物資源採掘に影響を与える危険性がある

5. ニュース(3):ナゴルノ・カラバフ問題

eurasianet.org

(1) 知っておくべきこと

 ソ連崩壊の直接的な引き金となったのは、ナゴルノ・カラバフ戦争であった。ナゴルノ・カラバフ自治州の帰属をめぐり、現在のアゼルバイジャンアルメニアが1990年から戦争を行った。それをゴルバチョフ書記長は諫めることができなかったことで、ソ連による統治構造・能力が崩壊したことが周知されたのだった。それ以前にポーランドでの「連帯」による民主化運動やそれに続くベルリンの壁崩壊を受けて冷戦が終わったのだった。

(図表 ナゴルノ・カラバフ自治州)f:id:suguru_125:20200708154214j:plain(出典:Radio Free Europe*3

この問題はそうした時代よりもはるか昔から続いている係争で永遠に終わりえない。
 わが国とは大きく離れた場所で、しかも利害関係がないこの問題を我々は完全に無視すべきだろうか?筆者は必ずしもそうではないと考えている。それは「カスピ海」の問題があるからだ。

www.bbc.com

 一昨年(2018年)、カスピ海の(法的)地位について沿岸諸国の間で歴史的な合意がなされた。これによると、カスピ海は従来の国際法の意味での海でも湖でもない独自の領域であり、沿岸諸国は特段の申請なく自由にカスピ海を航海*4することができるというものである。これを受けて、ロシヤにカザフスタン、イラン、トルクメニスタンカスピ海というシー・レーンでつながったのである。

(図表 カスピ海とその沿岸諸国)
f:id:suguru_125:20200708155522j:plain(出典:朝日新聞*5

 たとえばイランから見れば、ホルムズ海峡を封鎖してもカスピ海が「裏道」として機能し得ることを意味する。またカザフスタンは中国の「一帯一路」政策の西側への陸上ロジスティックス導線において重要な位置を占めているが、そこからイランへ入る道がさらに増えたという訳だ。そうした中でアゼルバイジャンアルメニアと係争を抱えることとなれば、このレーンがさらに活発化し得るという点で注目に値するのである。
 他方で、西側諸国においてアルメニア人コミュニティはロビー団体として大きな影響力を有している。その影響力はたとえばフランスでオスマン帝国(当時)によるアルメニア虐殺がなされた4月24日を追悼日として国家レベルで定めたほどなのだ。

www.lemonde.fr

つまりナゴルノ・カラバフ問題の噴出は、単なる地域紛争として捉えるには小さすぎるほど、グローバルでの政治・経済状況に影響を与えるのである。

(2) まとめ

6. ニュース(4):電通

mainichi.jp

(1) 知っておくべきこと

  • 電通経済産業省の受寄託関係において新たな実態が判明した
  • 民主党時代の決定と安倍政権の目玉政策を取り仕切る「官邸官僚」の存在が問題である

 電通は2000年の英広告会社買収、翌年の東証1部上場を皮切りに更なる拡大に務めてきた。それに対し、今やオリンピック事業に経産省事業と風当たりは強い。他方で従業員の過剰労働やパワハラ、セクハラなど大いに問題が生じてきた。日本のヒトを資産として扱う企業は20世紀の「頑張リズム」文化を依然として扱ってきたわけであるが、その宿痾の抜本的な改革がのっぴきならない状況にあるのだということなのだろう。
 その解決策の1つとしてITの導入があげられる。しかしその導入が進まない理由として、「頑張リズム」文化に染まった人間は自らを否定されるように感じてしまうことがあるのではないか。その「毒気」を社会からどうやって抜いていくべきなのだろうか。

(2) まとめ

  • 「売上=かけた時間t×単価(tの増加関数)」は間違い。「売上=かけた時間t×単価(tの単調減少関数)」
  • 精神構造の変革こそが最大の課題

今日のニュース(2020年7月7日)

1. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,714.44
407.96
1.81%
06日終値
TOPIX
1,577.15
24.82
1.60%
06日終値
JASDAQ
162.52
2.33
1.45%
06日終値
東証マザーズ
990.03
12.18
1.25%
06日終値
日本国債10年物
0.036
▲0.005
▲13.41%
06日終値
米国
ダウ平均
26,287.03
459.67
1.76%
06日終値
S&P500
3,179.72
49.71
1.58%
06日終値
NASDAQ
10,433.65
226.02
2.21%
06日終値
SOX指数
2,046.81
53.2
2.63%
06日終値
米国債10年物
0.678
0.006
0.95%
06日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,285.94
128.64
2.07%
06日終値
DAX
12,733.45
205.27
1.63%
06日終値
上海総合指数
3,332.88
180.07
5.55%
06日終値
印SENSEX30
36,487.28
465.86
1.28%
06日終値
外国為替
USDJPY
107.39
0.04
0.04%
07日 07:41:54
EURJPY
121.45
0.06
0.05%
07日 07:42:23
EURUSD
1.1309
0.0001
0.00%
07日 07:42:58
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
40.56
▲0.03
▲0.07%
07日 07:41:48
原油先物(Brent)
43.09
0.02
0.05%
07日 06:58:40
金先物(COMEX)
1,795.60
1.65
0.09%
07日 07:44:34
先物(COMEX)
2.7887
0.0012
0.04%
07日 07:44:55
BTCJPY(bitFlyer)
996,622
19,576
2.00%
07日 07:45:56

2.今日のポイント

●【中国】内モンゴル自治区で腺ペストが発生
●【南米】米中対立が深まる中でブラジル・アルゼンチンの動きに要注目
●【米朝関係】次期大統領が決まるまで大きな動きはないのではないか
●【日本】東日本で相変わらず放射性物質汚染が話題に

3. ニュース(1):中国で腺ペストが発生

www.jpost.com

(1) 知っておくべきこと

 腺ペストはかつて「黒死病」として知られた病気である。腺ペストはネズミといった野生生物間で蚤が媒介となることで蔓延し、猫や犬、もしくは媒介となった蚤の影響でヒトの体にもペスト菌が蓄積される。それが大量になると肺ペストへと至り人間の間で感染することとなる。

図表1 ペストの感染経路
f:id:suguru_125:20200707065838p:plain(出典:国立感染症研究所*1

 このように非常に危機的な病気ではあるものの、現時点でそこまで恐れる必要はないというのが私見である。というのも、Covid-19の影響を受けて国民の衛生に対する意識が高まっている中で、既にワクチン接種も始まっているからである*2。Covid-19の影響が一巡しており、腺ペストへの対応も目下、十分可能だと判断する。もし本当に致命的な影響をもたらすのであれば、昨年末から今年1月にかけて武漢市がCovid-19を隠匿したように、中国であれば隠蔽に走るだろう。
 ただし、無視してよい訳ではない。中国の歴史を振り返ると、経済が弱体化する*3中で疫病や飢饉(これは蝗害を想起せよ*4)が生じるも、政治的腐敗により当局が充分に対応できず、民衆の不満がたまっていく中で新興宗教が生まれてそれが反乱につながり、時の王朝が滅びるというのが常だからだ。すなわち現行の複合的なリスクが炸裂する中で、どれだけ中国国民が耐えられるかに注目すべきなのだ。

(2) まとめ

  • 腺ペストが目下、巨大な問題になるとは考えづらい
  • 複合的にリスクが炸裂することで内乱にまで至るかがカギ

4. ニュース(2):米中対立と南米

www.batimes.com.ar

(1) 知っておくべきこと

  • 米中摩擦がアルゼンチンとブラジルの脅威になっている
  • 両国の南米への対応が相違する中でアルゼンチンとブラジルは協力すべきである

 ブラジルとアルゼンチンは米中摩擦で裨益し得る。それは、米国が中国への制裁を強めれば強めるほど、大豆や小麦、トウモロコシに食肉といった農畜産物を中国が購入してくれるからだ。そのため中国を封じ込めるためにも南米をも封じ込めざるを得ない。

https://en.mercopress.com/2019/08/27/argentina-and-brazil-replacing-us-as-main-soybean-suppliers-of-chinaen.mercopress.com

 しかし、これは米国にとってジレンマをもたらすこととなる。米国が南米国家へ何らかの(経済)圧力を掛けてしまうと、現在のアルゼンチン・デフォルトのように、各国家が弱くなればなるほどその国家の通貨が弱くなるため、中国が輸入しやすくなってしまうからだ。かといって放置すれば相変わらず中国と南米国家の関係が深まってしまう。そうなってくると、クーデターのような国家非常事態が生じなければ米国にとっては解決できないだろう。

(2) まとめ

  • 米国の対中戦略においてブラジル・アルゼンチンは目の上のたん瘤
  • 中国動向を見極めるにも南米の動きに注意する必要がある

5. ニュース(3):北朝鮮問題は進展するのか?

www3.nhk.or.jp

(1) 知っておくべきこと

  • ビーガン米国務副長官が今日(7日(ソウル時間))訪韓した後、明後日(9日)に訪日予定
  • 北朝鮮問題を中心に議論するものとみられる

 米国が対北朝鮮問題で動いているわけだが、肝心の北朝鮮は一向に動く気配がない。筆者の私見としては、米国の対北朝鮮外交が目標としているのは、11月の米大統領選の前に何らかの実務者協議を行うことではないか。トランプ大統領が続投する蓋然性が低く、また北朝鮮側の現在のトランプ大統領に対する姿勢を見るに同大統領を今後のカウンターパートとして見なしているとは考え難い。現在はむしろ、次の大統領になった際にスムーズな交渉に入ることができるように、事務的な根回しを行うのが目標ではないか。したがって米朝問題の進展はここ2~3か月ではないだろうと判断する。

www.militarytimes.com

(2) まとめ

6. ニュース(4):福島県放射能汚染は悪化一辺倒

www.asahi.com

(1) 知っておくべきこと

  • 東日本の各地で採られた山菜のコシアブラを2019年度(今年3月24日まで)に調べたところ、2割近くで食品の基準値(100Bq/kg)を超える放射性物質が検出された
  • 国は福島県や近隣によるコシアブラの出荷制限をしているものの、個人によるオンライン取引を通じて出荷されている

 来年のオリンピックをやるにしても、この問題が解決しなければ明日はない。しかしこれは市勢レベルの動きではどうしようもないが政府の動きを見るにその進展があるとは思えない。オリンピックもそうだが、東日本のリスクは上がるばかりだろう。

(2) まとめ

  • 政府レベルで一刻も早く解決に向けて本腰を入れてもらいたい
  • しかし少なくともオリンピックまでには何も進展せず、我が国のカントリーリスクは上昇一辺倒だろう

今日のニュース(2020年7月6日)

1. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,306.48
160.52
0.722%
03日終値
TOPIX
1,552.33
9.57
0.618%
03日終値
JASDAQ
160.19
1.77
1.11%
03日終値
東証マザーズ
977.85
29.46
3.06%
03日終値
日本国債10年物
0.033
▲0.017
▲33.67%
03日終値
米国
ダウ平均
25,827.36
92.39
0.358%
03日終値
S&P500
3,130.01
14.15
0.453%
03日終値
NASDAQ
10,207.63
0.00
0.00%
03日終値
SOX指数
1,993.61
26.63
1.34%
03日終値
米国債10年物
0.669
▲0.002
▲0.25%
03日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,157.3
▲83.1
▲1.34%
03日終値
DAX
12,528.18
▲80.28
▲0.639%
03日終値
上海総合指数
3,152.81
62.24
1.99%
03日終値
印SENSEX30
36,021.42
177.72
0.495%
03日終値
外国為替
USDJPY
107.51
0.03
0.03%
03日終値
EURJPY
120.89
0.09
0.07%
03日終値
EURUSD
1.1244
0.0006
0.05%
03日終値
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
40.28
▲0.37
▲0.91%
03日終値
原油先物(Brent)
42.77
▲0.37
▲0.86%
03日終値
金先物(COMEX)
1,787.60
▲2.40
▲0.13%
03日終値
先物(COMEX)
2.699
▲0.035
▲1.26%
03日終値
BTCJPY(bitFlyer)
982,900
5,093
0.52%
05日 10:40:14

2.今日のポイント

●【ドイツ】ドバイを利用したドイツ企業による租税回避の実態
●【リビア各国の支援を受けて内戦の泥沼化が継続
●【バチカン中国との合意の更新期間が近づく
●【UFO】日本でも上るUFO議論

3. ニュース(1):租税回避地としてのドバイとドイツ企業

www.handelsblatt.com

(1) 知っておくべきこと

  • 租税回避の面でドバイがドイツ企業の注目を集めている
  • その合法性が課題となる

 前日も俎上に載せたが、租税回避地(tax haven)の問題は依然として解決していない。租税回避は天然資源や人口のない弱小国家にとっては大きな武器となるであるため、如何に他国が批判しようともその看板を下ろすことはまずないという訳だ。基本的に租税回避自体は合法である(厳密に言えば「違法ではない」の方が正しいのかもしれないが)。国家や地方自治体が用意しているスキームであるため、その辺にぬかりはないのだ。しかし近年、自国から租税回避地(tax haven)を通じて理由なく租税回避を行うことに対して独自の税を課している国が、先進国を中心として増えている。たとえば、このようなものだ:

www.pwc.com

 他方でドイツ企業がこのような租税回避に携わることが如何に世の中の批判を受けるかは推して図るべしといったところか。ワイヤーカードの問題を受けてドイツの企業監視体制に大きな疑問符が付きつけられることとなった:

www.nikkei.com

 そうした中で租税回避地(tax haven)の利用が拡大すれば、再び企業への批判がドイツにおいて強くなるだろう。当時ハイパーインフレで苦しむ中で外国人による企業・資産買収が進んだことや、企業による搾取が国民の怒りを買い、ナチスドイツの台頭につながったことは是非頭の片隅に置いておきたい。特に、最近苦境の最中にある「ドイツのための代替選択肢(Alternativ für Deutschland)」の再度の台頭につながるのかに注目したい。

(2) まとめ

  • ドイツの企業界への不信は高まっている
  • こうした経済界への不信がドイツを更なる苦境へと陥れるのか?

4. ニュース(2):混戦が続くリビア

www.jpost.com

(1) 知っておくべきこと

  • リビアにおける戦争が外国勢力に支援されることで混戦の様相を呈している
  • 直近にはトルコとカタールに支援された国民合意政府軍の空軍基地がアラブ首長国連邦UAE)とロシアの支援を受けたリビア国民軍の攻撃を受けた


(図表1 今年(2020年)1月時点でのリビアの状態)
f:id:suguru_125:20200706125858p:plain(出典:BBC*1

 カダフィ大佐の殺害以降、リビアの情勢不安は収まる気配がない。こうした情勢の理由には、かたや国連を中心として停戦に動く一方で、諸外国が必ずしもそれには一致しない動きを見せているからだ。わが国にいるとあまり考えることがないし、他方で筆者はこれを強調しすぎな気もするが、こうした戦乱による戦争経済でグローバル経済を経営していることを忘れてはいけない。すなわち、最新武器や軍事指導を諸外国が提供する代わりに、現地の油田開発権や既に開発済の油田から原油を提供されたり希少資源の提供を受けたり、基地建設のために土地の提供を受けたり、提供した武器の実験データを得たりするのである。


(図表2 リビアにおける原油の確認埋蔵量*2
f:id:suguru_125:20200706131135p:plain(出典:EIA*3

 他方でいまやアフリカ有数の巨大国となったナイジェリアを見れば明らかなように、仮にリビアがこうした埋蔵エネルギーを順調に生産できるようになれば、世界でも有数の規模の国家になり得る点も併せて留意されたい*4

(2) まとめ

  • リビアは諸外国による戦争経済の現場となっている
  • リビアが埋蔵エネルギーを高水準で生産できるようになれば世界でも有数の経済規模を誇る国家になり得る

5. ニュース(3):バチカンと中国

www.scmp.com

(1) 知っておくべきこと

  • 2018年に中国との間で締結された司教任命に関する合意が更新期間を迎える
  • 中国が司教を迫害し司教任命が遅延しているにもかかわらず、中国側だけでなくバチカン側も更新する予定である

www.vaticannews.va

 2018年9月22日(北京時間)、司教の任命に関する合意をローマ法王庁と中国の中国天主教愛国会が締結した。これを通じてバチカンは中国と台湾の両方とのアクセスを確立することができた。筆者自身、大した知識を持つわけではないが、世界中にカトリック教徒がいることからも分かるように、バチカンは世界中に影響力を持つ。わが国が第二次世界大戦終戦に向けた工作を行う際にも仲介として活動したし、北朝鮮に対しても大きな影響力をもつことが知られており、実際、金日成主席が死去前の混乱時にローマ教皇の訪朝を実現するよう指示していたことが明らかにされている*5。それが、これまで中国との関係を有してこなかったのだった。
 2018年の合意においても中国とこのタイミングでなぜ合意に至ったのか?と驚きをもって受け止められたものだった。単純に人口の多いこのマーケットを得るという意味で非常に重要なのだろうと推察する。今、このような議論が噴出していることを読者は知っているだろうか?

www.foxbusiness.com

 トランプ米大統領の当選の立役者であったスティーブ・バノンまで関わる形で、中国の解体プランが進行しつつあるのである(たとえばMysterious 'Federal State of New China' banners seen over NYCのように、欧米の主要メディアが取り上げているのであるから、安易に陰謀論などとレッテルを張ってはならない)。
 これが欧米の合意された動きであると仮定するならば、そうして分離していく中国の中で如何にプレゼンスを築くのかが欧米の中心的な対中課題となる。宗教はその国家が危機的状況になるときが、信者を獲得する最も有用なタイミングである。こうした中国の崩壊の中で影響力を増やすべく、現地の同胞と“業務提携”に入った、と見るのが妥当だろう。したがってバチカンにとっては合意の延長がほぼ既定ラインであるし、もし合意が破棄されたとするならば、それだけバチカンが中国への影響力を増したということになる。

(2) まとめ

  • バチカンのグローバルにおける影響力を思い起こすべし
  • 「中国解体」に向けてバチカンの進出戦略が動いている

6. ニュース(4):わが国でも噴出するUFO議論

special.sankei.com

(1) 知っておくべきこと

  • 国防総省が「UFOに関するビデオ」を公開して以来、UFOに関する議論が盛り上がっている
  • 日本もその例外ではないが、専門家は見間違いがほとんどであると説明している

 ここ最近、我が国でも火の玉の目撃情報が大きく取り上げられている。
www.fnn.jp

 つい最近、自衛隊がUFOに遭遇した際の手続きについて河野防衛大臣が言及したことも記憶に新しい*6。もちろん、論理的可能性として予め手続きを定めただけで、そんなもの存在するがないとするのはそれはそれでよい。が、ここまで議論が噴出しており、他方で国際的な動きに対して鈍重な印象があるわが国がここまで率先してこうした分野で動いていることは、それだけ意味があるのだというのが私見である。

(2) まとめ

  • 専門家は見間違いがほとんどであると説明している
  • UFOがあろうがなかろうが宇宙分野でのプレゼンス確保につながるのだから、日本にとって意味がある

*1:https://www.bbc.com/news/world-africa-24472322参照。

*2:確認埋蔵量とは「現時点で確認されている経済的、合理的な範囲で採掘可能なそれぞれの資源の埋蔵量」であり、単に埋蔵されている量が生産で減っていくのみならず技術の発展によって採掘が可能になることで増えることもあるため、増減することがある。1960年代には世界最大の原油埋蔵国だったリビアが今やこの位置にあるのもこれが理由である

*3:https://www.eia.gov/international/analysis/country/LBY参照。

*4:リビアの生産エネルギー情勢はたとえばhttps://www.eia.gov/international/analysis/country/LBY参照。

*5:太永浩[著],李柳真[監訳],黒河星子・鐸木昌之[訳](2019)「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」(文芸春秋)参照。

*6:https://www.asahi.com/articles/ASN4X4CF1N4XUTFK013.html参照。

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